ドアのカギが壊れるのが何の予定も無い日であれば、玄関ドアのカギが壊れて家の中に閉じ込められてしまった場合でも、冷静にカギ屋さんに電話をしてカギを交換してもらえるのを待てば良いですが、私の場合は滅多に会えない人が自宅に訪ねてくる予定があったので、丁度その日に玄関ドアのカギが壊れた時は本当に焦らされました。
それは私が小学生の時の事で、その日は転校してしまった幼なじみが私の家に訪ねてくる予定だったのです。
幼なじみが訪ねてくるという事で、母親も気合いを入れて手料理を披露しようとして、料理に使う材料を買いに出掛けて、その買い物から帰ってきた時の事でした。
玄関ドアのカギから異音がして、カギが開かなくなってしまったのです。
このままでは幼なじみの子を自宅に入れられなくなると思って本当に焦らされました。
私の家はマンションの四階にあり、ベランダから入る事も不可能な為です。
転校してしまった幼なじみに久しぶりに会えると思って楽しみにしていたのに、このまま引き返してもらうしかないのかと私が泣き出しそうになっていると、大阪にあるカギ屋さんの中でも特に自宅に近いところを母親が探し出し、直ぐにカギの交換に来てもらえる様に頼んでくれたのです。
しかし、カギ屋さんに電話が終わると同時に幼なじみが自宅に到着してしまいました。
このまま幼なじみは帰ってしまうのかと思ったのですが、なんとカギ屋さんが来るまで玄関前で待っていてくれると言うのです。
玄関ドア越しに思い出話を語り合ったり、近況を語り合ったりしていて、それだけでも本当に楽しく、幼なじみの気遣いが嬉しかったです。
そうこうしている内にカギ屋さんが到着して、友人が面白そうにカギが交換されていくところを話すのが、困った状況であるにも関わらず少し羨ましくなってしまいました。
素早くカギを交換してもらった御陰で幼なじみも私の家に直ぐに入れて、幼なじみの為に作った母親の手料理の材料も無駄にならずに済みました。